血圧の測り方
最近は家庭自動血圧計が普及しています。大変素晴らしいことです。信頼できるものがたくさん市販されています。成人病は血圧とのかかわりが必ずあるので自宅血圧測定は成人病予防、治療にとって大切です。血圧測定法については以前、『恐ろしいメタボリック症候群の一人歩き』のなかで簡単にふれましたが,大切なことなので再度改めて取り上げました。今回は医学生や看護学生、研修医に教えてきた注意点を中心に述べます。
血圧には最高血圧(収縮期)と最低血圧(拡張期)があることはご存知と思います。ときに上の血圧とか下の血圧などとも呼ばれます。心臓が収縮して血液が大動脈へ駆出されたときの血圧が収縮期血圧、心臓が最大に拡張したときの血圧が拡張期血圧です。腕に空気をいれるバンドを巻き、聴診器で聴診すると収縮期と拡張期のあいだは心臓の拍動音を聴診しますが音の聴こえ始めが収縮期血圧、音が消える点が拡張期血圧です。家庭血圧計は聴診器が内臓されているので聴診器を使いませんが原理は同じです。
測定法について;腕に巻いたバント(カフ)゙に空気が送入されると腕が締められて全身の交換神経がびっくりして血管を収縮させ、普段より血圧がかなり高くなります。3回ぐらい繰り返すと慣れて安定した値に戻ります、平均値でなく最も低い値を採用することになっています。したがって、最低3回以上測定しなければ信用できません。学生や研修医に厳しく教えてきましたし、私自身どんなに忙しくても自然に3回は反射的に計っています。3回のうち初回は脈の触診で収縮期血圧を測定します。ところが、患者さんの話では高血圧専門医でも3分間診療のためか1回しか計らないとことですが貴方の主治医は如何ですか?
自動血圧計の落とし穴;①大動脈弁閉鎖不全症という心臓病をお持ちの方、動脈硬化が強い方の収縮期血圧は実際より高くなることがあります。拍動がつよく、拍動音が血管や周辺を伝わり実際の血圧を過ぎても音だけがいつまでも聴こえるので実際より高くなることがあります。脈の触診をすれば分かりますが自動血圧計の場合無理です。
②聴診間隙について; カフの下のマイクロホンで拍動音を拾って測定していますが音が聴こえ始めたときの血圧が収縮期、消えるときの血圧が拡張期です。ところが、高血圧の患者さんでは稀に拍動音が途中で消えて、さらに下げると聴こえ始めて最終的にに消えることがあります。この途中消えてる部分を聴診間隙といいます。この聴診間隙を血圧計が拾うと拡張期血圧が高くでます。大変だ、血圧計が信用できないと我々のところへ持ってくる患者さんがいます。勿論、血圧計を検定して異常ないことをつたえて安心していただきます。
我々医師は一般に水銀血圧計を使い脈を触診しながら測定するので脈が消えてからも拍動音のみ続くのが分かります。私はそのような過ちを避ける為に必ず初回は触診で収縮期血圧を測り、2回、3回めを聴診法で測定しています。家庭では無理なので変だと思ったら主治医に相談して下さい。

素人の無知と誤解 「平均値ではなく最も低い値を採用すること」、「最低3回以上測定すること」というのは初めて知りました。現役時代の人間ドックでも、最近5年ほど通った2軒の開業医でも一回しか測ったことはありません。もっとも現役時代は一回の測定でも数値が正常と判断される範囲内であったともいえますが、定年退職後数年してさぼっていた定期健診を受けたとき、いきなり上が165という数値が示され、医者に対して失礼にも「間違いではないですか」と問い返したものです。
それでも一回しか測定されませんでしたが、その日より後の何度かの測定を見て、高齢による高血圧が進行していたのは事実であると認識しました。
降下剤を5年ほど服用、毎日一時間のウオーキングとストレッチの効果か、130台で安定してきたようですので、10月から服用をやめております。
ついでに素人の余計な疑問を申しますと、「2-3回深呼吸をして、おちついてから測る」のが正しい測定のしかたのようですが、日常生活の中でそのような身体状態であることはまずありませんから、“日常の自然体”で測定する”ことにはならないように思っておりました。
投稿: 十楽人 | 2008年11月29日 (土) 14時31分
十楽人さんコメントありがとうございます。血圧測定の前に深呼吸を十回以上すると基礎血圧に近づくといわれています。この方法を書き忘れました。お指摘ありがとうございました。
投稿: 尊愚問 | 2008年11月29日 (土) 18時05分